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ステルス薬物依存

執筆者の写真: Teppei IdaTeppei Ida

更新日:2月13日

はじめに

 

「薬物依存」と聞くと「ちょっと怖いな」と感じる方も多いのではないでしょうか。当相談所でも薬物依存に関するご相談をよく受けております。相談内容には、違法な薬だけでなく、病院で処方される薬や市販薬も含まれ、依存は様々な薬で起こりうる可能性があります。

また、長期間薬を服用している方も多く、病気の治療や予防のために服用している場合がほとんどですが、これも薬物依存の一つといえるかもしれません。

そこで今回は、私が提唱する「ステルス薬物依存」とその対処方法について記載いたします。ぜひ最後までご購読ください。




 

薬とは何か

 

薬とは、植物や鉱物などから抽出した物質を加工・精製し、目的とする作用が発現するよう設計されたものです。もともと体内に存在しないため、人体にとっては「異物」といえます。

また、薬には主作用と副作用が存在しますが、これはあくまで人間が効果を評価・区別しているものであり、薬にとってはすべてが作用、すなわちその持つポテンシャルの一部です。

 

漫然と服用し続けるリスク

 

薬は服用されると血管に入り血液中に溶け、全身に効果を発揮します。そして、主に肝臓で代謝され、腎臓から排出されます。これは、体が薬を異物とみなし排出しようとする防御システムの働きです。

薬は種類によって、肝臓で代謝されるもの、腎臓で排泄されるもの、あるいはその中間の経路をとるものがあります。

そのため、長期間服用し続けると各臓器に負担がかかり、例えばロキソプロフェンのように長期服用によって腎機能が悪化する薬も存在します。

 

薬の目的

 

まず、薬は目的別に大きく次の2つに分類できます。


• 症状緩和の薬

痛み止め、下剤、睡眠薬、鼻水を止める薬など、現れている症状を抑えるための薬です。即効性があり、効果を実感しやすいでしょう。


• 疾病予防の薬

血圧降下薬、コレステロール低下薬、尿酸値を下げる薬など、病気の重篤化を防ぐために継続して服用する薬です。

長期間服用し続ける傾向にあるのは、こちらの疾病予防の薬です。

 

薬剤数によるリスクの増加

 

服用する薬の種類や数が増えるほど、体へのリスクも高まります。以下のグラフは、服用薬剤の増加に伴い、有害事象の発生率が高まることを示しています。



特に注目すべき点は、特定の薬剤に限らず薬の総数が多いこと自体が有害事象の増加につながるという事実です。つまり、薬の多さそのものがリスクとなるのです。

 

医療機関の対応について

 

薬を服用している、または症状が悪化した際に医療機関を受診すると、多くの場合、現在の薬の増量や新たな薬の追加処方が行われます。


医師の立場では、薬は疾病予防や症状緩和のために処方するため、患者が苦痛を訴える場合、その苦痛を和らげ、病状の進行を防ぐために薬を増やす・追加することが考えられます。

もちろん、患者の意思を無視しているわけではありません。しかし、薬を使用していても症状が悪化したり新たな症状が現れる場合、現在服用している薬の効果や副作用について再評価する必要があります。その上で薬を追加する分には問題ありませんが、実際に十分な再評価を行っている医療機関がどの程度あるかは不明です。


本当に効果が発揮されているのか、薬の副作用で新たな症状が生じていないかを確認せずに、ただ薬を追加するだけでは、結果として服用薬が次々に増えてしまいます。


医療制度の問題


特に、処方される薬の数に明確な制限はありません。一部の精神科の薬などでは、長期間の処方により処方料や処方箋料が減算される場合もありますが、処方自体を制限する規制はありません。処方の判断は、あくまで医師の裁量に委ねられています。


患者側の問題

 

医療機関の対応だけでなく、薬を服用する本人の心理も重要です。

心理学では「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」という言葉があります。ここでは「病気になったら薬を服用するのが当然」あるいは「医師が処方した薬だから安全だろう」と無意識に思い込む心理を指します。

このような意識は、周囲の環境やメディア等から醸成され、最終的には「たくさん薬を飲んでいても問題ない」という認識に至ってしまいます。

 

ステルス薬物依存とは


ステルス薬物依存とは、定期的に受診し、処方された薬を長期間飲み続けることを指す、私が考案した言葉です。

通常の薬物依存との大きな違いは、本人に薬を飲んでいる自覚はあるものの、依存しているという意識がない点にあります。


一般的な薬物依存では、多かれ少なかれ薬を服用することに後ろめたさを感じるものですが、ステルス薬物依存ではそのような意識がありません


例えば、「薬を飲んでいるから血圧が安定している」と考え、依存しているとは思わずに服用を続けることが特徴です。

もちろん、治療上必要な薬を医師の指示のもと正しく服用している場合は該当しません

しかし、長期間にわたり同じ薬を見直すことなく飲み続けると、ステルス依存にあてはまる可能性があると考えています。

 

原因分析と対策

 

ステルス薬物依存は、現在の医療制度、医師、患者が相互に関係し合いながら成立しています。医療制度や医師の意識を変えるのは容易ではありませんが、患者自身の意識は変えることが可能だと考えます。




 

まとめ

 

「薬に依存する」という受動的な観念から、「薬剤を健康維持のために適切に使用する」という能動的な考え方への移行が求められます。また、新規の薬剤が処方された際には、医師の指示に従うだけでなく、自らも薬剤情報を調査し、服用期間について医師と協議することで、薬剤の過剰投与を防止することが可能です。


とはいえ、素人では判断が難しいという方は、身近な専門家に相談することをおすすめします。当相談所では「薬の健康診断」として、服用薬のリスク判定を行っております。長期間薬を服用されている方は、ぜひ一度ご利用ください。


自分の健康は自分で守るという意識を持って生活することが重要です。

では、次回のブログでお会いしましょう。

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