
1. インフルエンザ薬って必要?
現在、インフルエンザが猛威を振るっています。「インフルエンザにかかったら薬を飲むべき」という話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、本当に薬を飲む必要があるのか疑問に思ったことはありませんか?
今回は、インフルエンザ薬の効果やリスクについて、薬剤師の視点から詳しく解説します。
2. インフルエンザ薬の種類と仕組み
代表的な薬
1. タミフル(オセルタミビル、内服薬)
• 2001年発売のインフルエンザ薬。1日2回服用、5日間の治療が必要です。
• 作用機序:インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害し、感染細胞からのウイルス放出を抑制します。
• 効果:インフルエンザ罹病期間の中央値を23.3時間短縮することが確認されています。
• 主な副作用:下痢(0.9%)、腹痛(0.6%)、悪心(0.5%)。
• 注意点:発症後2日以内の服用が推奨されます。
2. リレンザ(ザナミビル水和物、吸入薬)
• 2000年発売。専用の吸入器を用いて、1日2回吸入、5日間使用します。
• 作用機序:タミフルと同様にノイラミニダーゼを阻害します。
• 効果:インフルエンザの症状軽減や解熱までの時間を2~3日短縮します。
• 主な副作用:下痢、悪心、嘔吐、発疹。
• 注意点:発症後速やかに使用することが望まれます。
3. イナビル(ラニナビル、吸入薬)
• 2010年発売の吸入薬で、単回投与が可能です。
• 作用機序:ノイラミニダーゼを阻害するプロドラッグで、体内で活性代謝物に変換されます。
• 効果:タミフルと比較して罹病期間を約30.9時間短縮します。
• 主な副作用:下痢、ALT(肝機能値)の上昇。
• 注意点:初回使用時には薬剤師の指導を受けることが推奨されます。
4. ゾフルーザ(バロキサビル、内服薬)
• 2018年発売。発症後、速やかに単回服用します。
• 作用機序:インフルエンザウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼを阻害し、ウイルスのRNA合成を妨げます。
3. 効果はどのくらい期待できるの?
• 熱が下がるまでの時間:
薬を使用すると、平均して1~2日程度症状が回復するまでの時間が短縮します。これをどう評価するかは個々の判断に委ねられます。
• 早期治療の重要性:
インフルエンザウイルスは発症後48時間でピークに達します。そのため、48時間以内に薬を服用しなければ十分な効果が得られません。
4. 副作用のリスクを知っていますか?
• タミフルでは幻覚や異常行動が報告されていますが、これが薬の影響であるかは明確ではありません。ただし、可能性として留意する必要があります。
• 特に子どもや高齢者は、高熱による体へのダメージが大きいため、適切なタイミングで薬を使用することが重要です。
5. そもそも薬に頼らない方法は?
• 免疫力を高める生活習慣:
日頃から健康的な生活を心がけることで、ウイルスに感染しにくい体づくりを目指しましょう。栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠が基本です。
• 予防の基本:
手洗い・うがいを習慣化し、必要に応じてマスクや換気を行うことで感染リスクを減らせます。
6. まとめ:薬を使うかどうかの判断基準
• 症状を早く抑えたい場合や基礎疾患がある場合は、薬の使用が推奨されます。
• 一方で、若く健康な人であれば自然治癒も可能な場合があります。むやみに薬に頼らず、免疫力に任せる選択もありでしょう。

いかがでしたか?
インフルエンザ薬は必ずしもすべての人に必要ではありません。自分の状態に合わせて、リスクとベネフィットを考えた上で判断することが重要です。
次回のブログもお楽しみに!
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